執行猶予判決の獲得 執行猶予期間中の交通違反

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執行猶予の言渡しを受けるための弁護活動

執行猶予の言渡しがあれば、刑の執行、すなわち刑務所での服役を受ける必要ははありません。そして、執行猶予期間を無事に生活することができれば、刑の言渡しは効力を失い、将来その刑の執行を受ける必要はありません。もっとも、執行猶予期間内に再び犯罪を行えば、執行猶予が取り消される場合あります。

例えば、執行猶予中の交通違反でも、飲酒運転、スピード超過、人身事故等により、公判請求(略式請求)され、懲役、禁固等の刑の言渡しがあった場合には、執行猶予が取り消される可能性もありうるので注意が必要です。

執行猶予の言渡しを受けることができるかどうか、微妙な事件は、情状弁護活動が非常に重要となってきます。

被害弁償について

財産犯(窃盗、詐欺、横領等)は、被害の回復がなされているのか、すなわち被害弁償の有無が執行猶予の有無について大きなポイントとなると思います。

自己の資産、親族等からの援助により被害弁償ができるのかを検討し、できるようであれば弁護士が被害弁償・示談交渉を行い執行猶予判決の獲得を目指します。

示談交渉に際して、処罰感情は減少している旨が記載された嘆願書を作成してもらえれば、執行猶予の獲得のための有利な証拠となります。

被害者が示談金・弁償金を受け取ってくれない場合

どうしても被害者が被害弁償金を受け取ってくれないような場合には、公益的な活動をする団体に対して贖罪寄付をすることも考えられます。

その他の方法として、弁護士が被害弁償金を預かる方法があります。

そして、「被害弁償に充てるお金が準備できている」旨の報告書を裁判所に提出します。

このように、被害者がお金を受け取ってくれない場合でも、執行猶予に向けた弁護活動をすることができます。

環境調整

被告人の現在の生活状況に犯罪の原因がある場合、生活環境を調整したことを裁判官に報告すること執行猶予を受けるために重要なポイントです。

例えば、交際グループ等に問題がある場合、当該グループからは脱退し、二度と接触を持たないことを約束する必要があります。

また、収入の確保の問題もクリアしなければなりません。生活保護の受給の見込み、就業先の確保等を報告し、社会に出ても十分生活できることを説明する必要があります。つまり、執行猶予判決が出ても、きちんと生活をしてくことができるということをPRするのです。

しばらくの間は、収入先を確保できない場合、両親、兄弟等の援助により生活できるような環境を構築することも必要です。

借金が犯罪の原因になっているような場合、任意整理・自己破産手続等により借金整理を検討することもあり得るでしょう。将来の安定生活にむけた人生計画が必要です。

居住先も、現在賃借中住居はどうするか、今後の居住先の予定はどうなのか等、具体的に検討しなければなりません。

犯罪の原因が精神的な疾患である場合、医師による治療、カウンセリング機関の利用等により、病気を治療する具体的な計画を立てることも大切です。

情状証人

被告人を指導監督していく者(親、兄弟、会社の上司等)を公判で証人尋問します。そして、「被告人が再び犯罪をしないよう指導・監督していく」旨を約束してもらいます。

窃盗事件の公判請求事件は、過去に何度も窃盗があるケースが多いです。

そのような場合、単に情状証人が出て監督していくと約束しただけでは、説得力に欠き裁判所に気持ちが伝わらない可能性もあります。

そのためには、具体的な指導・監督の方法を示すことが重要です。

被告人の反省(被告人質問)

被告人が反省していること、再犯の可能性がないことを裁判官に分かってもらう必要があります。反省文、謝罪文などを作成してもらうことも考えられますが、抽象的な文面では説得力はありません。

なぜ、犯罪を犯してしまったのか、どうすれば犯罪を繰り返さないようにできるのか、今後はどのようにして収入を確保し、居住先をどうするのか等、具体的な考えを示すことが必要です。

法廷での被告人質問において反省の気持ちを示すことも重要です。

公判廷で、犯罪の原因、原因の解消方法を供述し、再度犯罪を犯さないことの約束をしなければなりません。 もっとも、単なる一般論を展開しても裁判官の心には響かないと思います。

例えば、被告人が法廷で 「二度と窃盗はしません」「絶対に収入の範囲で生活をします」等と一般論により供述をしても説得力はありません。

執行猶予判決の獲得を狙うのであれば、「窃盗の原因は生活費不足である」 「一人暮らしをしているマンションを引き払って実家に帰り節約をする」「収入は10万円なので、光熱費・食費等の生活費が不要な実家で生活すれば、収入の範囲で十分生活ができると考えている」等と具体的に供述する方が真剣に犯罪と向かい合っていることを示すことができると思います。

被告人となる方は公判で供述をするのが初めてのケースが多いと思います。

そのため、当職の弁護事件では被告人との接見時に、犯罪の原因を探り、原因の解消方法を考え、法廷で供述する内容について、具体性ある言葉で供述するようアドバイスし、執行猶予獲得に向けた弁護活動をしたいと思います。