為替デリバティブ被害についてADRの利用

トップページ > 民事事件 > 為替デリバティブの被害

為替デリバティブ被害(ADRの利用)

全銀協ADRとは、全国銀行協会相談室・あっせん委員会が行う紛争解決機関です。加入銀行の業務に関する紛争解決の申立てを取り扱うので、証券会社を相手とすることはできません。

証券会社を相手にする場合は、「証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)」によるADRがあります。

加入銀行については、全銀協のホームページで公開されています。都市銀行、地方銀行、信託銀行など加入銀行の一覧を閲覧できます。

全銀行ADRの内容

中立公正な第三者(弁護士、消費者問題専門家・全銀協役員等)で構成する委員会が、各当事者から主張、資料などの提出を受け、紛争解決を図ります。

業務規程30条2項
あっせん委員会が必要と判断した場合には、本協会の事務所以外の場所において開催することができる。

当該規定により、委員会が行う事情聴取は、最寄りの会場で行うことが可能となります。なお、大阪にも会場が設置されています。

全銀行ADRの手続

申立書・主張書面について

定型書式の申立書は、全銀協のホームページからダウンロードできます。

ADRの申立書には、「1 紛争の相手方」「2 申立ての趣旨」「3 争点の要点」「4 資料・証拠書類」等を記載する必要があります。

証拠資料については以下の規定があります。

業務規程28条1項
特別な事情があると認めた場合を除き、返還しない

手続終了後には提出書面が返却されないので注意が必要です。

後日の裁判等を視野にいれる場合、「写し」を提出しておくのがよいでしょう。

申立受理後について

主張書面を提出する必要があります。

あっせん委員会が行う、期日における事情聴取については「原則として当事者別に行う」(業務規程29条3項本文)と規定されています。

そうすると、当事者の一方から話を聞き、入れ替わって相手方から話を聞くといった流れになるといえます。裁判所における和解や調停でも同じような流れで手続きが進められます。

また、当事者からの話を聞くことが紛争解決に資すると考えられるため、「出席を求められた当事者は、原則として自ら出席しなければならない。」(業務規程28条4項本文)とされています。

統計資料など

ADR申立が多い事案としては、「投資信託」「為替デリバティブ」となっているようです。

和解率については、60.8%(平成25年第3四半期「紛争解決など業務の実施状況」図表8より引用数値)となっており、紛争解決処理機関として活用することが期待できます。

手数料

紛争解決手続の手数料は顧客については無料です。もっとも、事情聴取に出席するための交通費、郵送費などの実費は必要になります。その他、弁護士に依頼をすれば、弁護士報酬が必要となります。

和解の成立と終了

あっせん案・特別調停案について、当事者が受諾した場合、和解契約書を作成します(業務規程35条1項)。これにより紛争の終局的解決を図ることができます。

和解契約に基づく金員の支払い等につき、相手方から任意の履行を期待することになります。

あっせんの打ち切り

ADR申立しても必ず紛争解決に至るとは限りません。当事者双方の主張に隔たりが大きい等、あっせん成立の見込みがないような場合には、あっせんの打ち切りとなる可能性があります(業務規程32条1項(3))。