商標権の侵害とは、正当な権限がないのに、他人の登録商標と同一又は類似する商標を、指定商品・指定役務と同一又は類似する商品・役務について使用する場合などをいいます。
商標権侵害が問題となる場面では、商標権者から侵害者に対する使用の中止、差止め、商品の廃棄、損害賠償などが問題となります。
商標権侵害が問題となった場合
侵害を受けた場合
警告書の送付、商標使用の差止め、商品の廃棄、損害賠償請求などを検討します。
警告を受けた場合
本当に商標権侵害となるのか、相手方の商標権に問題がないかなどを確認したうえで対応を検討します。
商標権侵害事件の取扱実績があります
当職は、平成19年に弁理士試験に合格しています。
その後、司法修習に行くため弁理士登録を抹消し、現在は弁護士としてのみ登録しています。しかし、商標出願や商標権侵害については、その後も勉強を続け、現在も定期的に研修会に参加しています。
当事務所では、実際に商標権侵害を理由とする警告を受けた側の事件を取り扱った経験があります。
警告を受けても、まず内容を検討します
商標権者やその代理人から突然「商標権を侵害している」「使用を中止して損害賠償を支払ってほしい」といった警告書が届けば、驚かれると思います。
しかし、警告を受けたからといって、直ちに相手方の主張どおりの商標権侵害が成立するとは限りません。
警告を受けた場合に確認したいこと
- 自分が使用している商標と、相手方の登録商標が同一又は類似するのか
- 使用している商品・役務と、相手方商標の指定商品・指定役務との関係はどうか
- 相手方の商標登録に無効原因がないか
- 相手方が主張する損害賠償額が適切か
例えば、検討の結果、そもそも非類似の商標であって商標権侵害には当たらないと考えられる場合もあります。
また、相手方が登録商標を持っていたとしても、その商標登録について無効原因があると考えられる場合もあります。
無効審判を請求しながら和解した取扱実績
当事務所が過去に取り扱った商標権侵害事件では、相手方の登録商標について無効原因があると考え、商標登録無効審判を請求しながら交渉を進めた事案があります。
そのうえで、相手方が主張する損害賠償額についても争い、最終的には損害賠償額を低減させた内容で和解し、解決しました。
もちろん、事件ごとに商標や指定商品・役務、登録に至った経緯などは異なりますので、同じ対応ができるとは限りません。
商標権侵害の警告を受けた場合には、慌てて回答するのではなく、まず警告書と相手方の商標登録の内容を確認したうえで対応を検討することが大切だと考えています。
商標権侵害があった場合の対応
警告書による通知
商標権侵害があると考えられる場合には、まず侵害者に対して警告書を送り、侵害であることを指摘したうえで、対象となる商標の使用を中止するよう求めることがあります。
これにより、相手方が商標の使用を中止すれば、被害の拡大を抑えることができます。
差止め・損害賠償請求
警告をしても侵害行為が継続する場合には、裁判所に対して差止めを求めることが考えられます。
商標法では、侵害行為の停止や予防を求めることができるほか、侵害行為を組成した物の廃棄などを求めることができます。
また、商標権侵害によって損害が発生した場合には、損害賠償を請求することも考えられます。
インターネット上で模倣品が販売されている場合
ネットオークション、ショッピングモールなどのインターネット上で偽ブランド品などが販売されている場合には、プラットフォーム事業者等に対して削除等の送信防止措置を求める方法もあります。
現在は、情報流通プラットフォーム対処法商標権関係ガイドラインに基づく手続も設けられています。
商標権侵害の警告書を受け取った場合
商品を販売していたり、店舗名・サービス名などを使用して事業を行っていると、突然、商標権者やその代理人弁護士から警告書が届くことがあります。
警告書には、商標の使用中止だけでなく、商品の廃棄、過去の販売数量や売上額の開示、損害賠償などが求められていることもあります。
この場合、まずどの登録商標に基づく請求なのか、実際に商標が類似するのか、指定商品・指定役務との関係はどうかを確認します。
さらに、必要に応じて相手方の商標登録そのものに無効原因がないか、損害賠償額の算定が適切かについても検討します。
警告書が届いたら、まず内容を確認してください
商標権侵害の警告書には、回答期限が記載されていることもあります。
慌てて相手方の主張を認めたり、反対に十分な検討をせず全面的に否定したりする前に、警告書、商標登録の内容、実際に使用している商標などを整理して対応を検討することをお勧めします。
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弁護士 片岸寿文(大阪弁護士会)
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