休眠担保の抹消(古い抵当権の抹消)|大阪市東住吉区の弁護士片岸法律事務所

相続した土地の登記簿を確認すると、何十年も前の抵当権が残っていた。抵当権者が誰なのか分からない。

このような古い担保権は、一般に「休眠担保権」「休眠抵当権」などと呼ばれます。

古い所有権移転請求権仮登記などの仮登記が長期間残っており、不動産の売却や相続手続の支障となっているケースもあります。

片岸法律事務所では、司法書士としての不動産登記の知識と、弁護士としての交渉・訴訟対応の双方を活かし、古い抵当権、根抵当権、仮登記などの抹消に取り組んでいます。

片岸法律事務所の得意業務の一つです

「登記」と「交渉・訴訟」の両方が必要になるからこそ、
弁護士・司法書士の双方を取り扱う当事務所の特徴を活かせます。

当事務所ではこれまで、 古い抵当権、根抵当権、仮登記などの抹消 について解決した実績があります。

休眠担保権の問題は、単に法務局へ登記申請書を提出すれば解決するとは限りません。

特に、登記名義人が個人の場合には、登記から数十年が経過し、 抵当権者本人が既に死亡していることが少なくありません。

抵当権者が亡くなっていれば、そこからが本格的な調査です。

戸籍をたどって相続人を調査し、現在の住所を確認し、相続人へ事情を説明したうえで、 抵当権抹消への協力を求める必要が生じることがあります。

相続人が任意に協力してくれれば、共同で抹消登記を行える可能性があります。 しかし、連絡が取れない、協力してもらえない、債権の消滅について争いがある、といった場合には、 訴訟による解決を検討しなければならないこともあります。

不動産登記申請は司法書士の専門分野ですが、 相手方との法的紛争や地方裁判所での訴訟代理など、 司法書士業務だけでは完結しない場面があります。

当事務所では、司法書士として登記記録を読み解き、必要な登記手続を検討するとともに、 必要となれば弁護士として相続人との交渉や訴訟まで対応することができます。

「まず司法書士へ依頼し、解決できなければ改めて弁護士を探す」のではなく、 調査から交渉、訴訟、最終的な抹消登記まで一つの窓口で対応できることが、 片岸法律事務所の特徴です。

このような古い登記でお困りではありませんか

  • 相続した土地に明治・大正・昭和時代の抵当権が残っている
  • 昔の借金は返済済みと思われるが、抵当権だけが残っている
  • 抵当権者の住所へ連絡しても所在が分からない
  • 抵当権者が既に死亡している
  • 抵当権者の相続人が誰なのか分からない
  • 抵当権者の相続人が多数いる
  • 昔の会社・組合等が抵当権者として登記されている
  • 既に解散した法人の抵当権が残っている
  • 古い根抵当権を抹消したい
  • 古い仮登記が残っていて不動産を売却できない
  • 相続登記を進めようとしたところ古い担保権が見つかった
  • 不動産を売却する前に古い登記を整理したい

休眠担保権とは

不動産を担保としてお金を借りた場合、抵当権などの担保権を登記することがあります。

通常であれば、借金を完済した際に担保権の抹消登記を行います。

ところが、昔の担保権では、債務は既に弁済されていると思われるのに抹消登記がされず、何十年もの間、登記簿上に担保権だけが残っていることがあります。

このような状態となった古い抵当権等を、実務上「休眠担保権」「休眠抵当権」と呼ぶことがあります。

【ここに図解①「休眠担保権とは?」を挿入】

昔の金銭貸借 → 抵当権を登記 → 借金は弁済済み? → 抹消登記だけ未了 → 数十年後まで抵当権が残存

なぜ古い抵当権を放置できないのか

古い抵当権が登記簿に残っていると、不動産を直ちに失うという意味ではありません。

しかし、登記上は担保権が存在しているため、不動産を売却したり、新たな融資の担保に入れたりするときに問題となります。

  • 買主から抵当権の抹消を求められる
  • 金融機関の融資を受けられないことがある
  • 相続後に不動産を処分しようとして初めて問題が判明する
  • 時間が経つほど抵当権者側の相続人が増え、解決が複雑になる

といった問題が生じます。

休眠担保権の抹消方法は一つではありません

古い担保権をどの方法で抹消するかは、登記内容、抵当権者が個人か法人か、その所在、被担保債権の内容、弁済期などによって異なります。

主な方法概要
抵当権者等の協力による抹消抵当権者またはその承継人の協力を得て共同申請する方法
供託を利用した抹消一定の要件を満たす休眠担保権について、供託後に所有者から単独申請する方法
解散法人についての単独抹消不動産登記法70条の2の要件を満たす場合に単独で抹消申請する方法
訴訟による抹消抵当権者側が協力しない場合等に、判決に基づく抹消を目指す方法

どの方法が最も適切かを、まず登記記録や閉鎖登記簿、法人登記、戸籍等を調査して判断します。

抵当権者が個人の場合

特に手続が複雑になりやすいのが、何十年も前の個人名義の抵当権です。

例えば、登記簿に、

抵当権者 大阪府○○郡○○村○番地 山田太郎

という古い住所・氏名しか記載されていないことがあります。

現在まで数十年経過していれば、抵当権者本人が既に亡くなっている可能性があります。

その場合には、抵当権者本人だけを探せば終わりではありません。戸籍等を調査し、抵当権に関する権利を承継している相続人を確認する必要が生じます。

抵当権者が死亡している場合は相続人を調査します

抵当権者が死亡していることが分かった場合、相続関係を調査します。

古い抵当権ほど、抵当権者が亡くなった後、その子、その孫へとさらに相続が発生していることがあります。

その結果、現在では多数の相続人が抵当権に関係していることも考えられます。

相続人が判明した場合には、事案に応じて事情を説明し、抵当権抹消について協力を求めます。

当事務所では、遺産分割事件の場合と同様に、面識のない相続人へ突然結論だけを要求するのではなく、なぜ連絡したのか、どの不動産のどの登記が問題になっているのかを説明したうえで、手続への協力をお願いするよう心がけています。

【ここに図解②「個人の古い抵当権を抹消するまで」を挿入】

古い抵当権を発見
↓
抵当権者の所在調査
↓
死亡していれば相続人調査
↓
相続人へ連絡・交渉
↓
協力が得られれば登記/困難なら供託・訴訟等を検討

抵当権者が法人の場合は法改正で抹消しやすくなった場合があります

昔の抵当権では、現在は存在しない会社、信用組合、農業関係の法人などが抵当権者として登記されていることがあります。

以前は、法人の登記記録が残っていることなどによって、従来の休眠担保権抹消の特例を利用しにくいケースがありました。

そこで、2023年(令和5年)4月1日から施行された改正不動産登記法により、一定の解散法人について新しい抹消制度が設けられました。

一定の要件を満たす解散法人の担保権は、供託をすることなく所有者から単独で抹消登記を申請できる場合があります。

具体的には、解散した法人について、法令上必要な調査をしても清算人の所在が判明せず、

  • 被担保債権の弁済期から30年を経過している
  • 法人の解散の日から30年を経過している

などの要件を満たす場合には、不動産登記法70条の2による単独抹消を検討できます。

法人名義の抵当権であれば、すべて簡単に抹消できるわけではありません。
法人が解散しているか、清算人の所在、解散時期、被担保債権の弁済期などを確認する必要があります。

個人の古い抵当権は、今も複雑な手続になることがあります

解散法人については法改正により新しい単独抹消制度が設けられましたが、個人名義の古い抵当権について同じ30年ルールがそのまま使えるわけではありません。

個人の抵当権者が既に死亡している場合には、相続人調査、相続人への連絡、抹消登記への協力依頼などが必要となることがあります。

協力が得られなかった場合や、権利関係について争いが生じた場合には、訴訟による解決を検討することもあります。

供託によって抹消できる場合があります

不動産登記法には、古い担保権を供託手続によって抹消する制度があります。

代表的な要件は、

  • 抵当権者等の所在が分からず、共同で抹消登記を申請できないこと
  • 被担保債権の弁済期から20年以上経過していること
  • 被担保債権の元本、利息、損害金に相当する金銭を供託すること

などです。

古い登記では、現在の登記事項証明書だけでは弁済期等が分からず、閉鎖登記簿などを調査する必要がある場合もあります。

供託と訴訟のどちらがよいか

旧片岸法律事務所のホームページでも、供託による方法と訴訟による方法を、事案に応じて使い分けることをご案内していました。

昔の抵当権には、債権額が数十円、数百円、数千円といった非常に少額の登記もあります。

このような場合、利息・損害金を含めた供託額を計算しても比較的少額となり、供託による抹消が合理的な場合があります。

一方で、登記された債権額や利息・損害金の内容によって供託額が大きくなる場合には、消滅時効その他の法的根拠を検討し、訴訟による解決が適切な場合もあります。

訴訟によって抵当権の抹消を求める場合

任意の協力が得られず、供託等による方法も適切ではない場合には、抵当権抹消登記手続を求める訴訟を検討します。

訴訟では、被担保債権の弁済、消滅時効その他の事情を整理し、抵当権を存続させる実体法上の根拠がないことなどを主張・立証していくことになります。

判決等によって抹消登記を行うことが可能となれば、その後、法務局で実際の抹消登記手続を行います。

古い根抵当権の抹消

当事務所では、古い抵当権だけでなく、長期間放置されている根抵当権の抹消についても取り扱っています。

根抵当権の場合には、通常の抵当権とは権利の性質が異なるため、元本確定の有無、債権関係、登記内容、根抵当権者の状況などを確認したうえで、具体的な抹消方法を検討します。

古い仮登記の抹消にも対応しています

土地の登記簿には、抵当権とは別に、何十年も前の所有権移転請求権仮登記などが残っていることがあります。

古い仮登記も、不動産の売却・担保設定等を行う際に問題になることがあります。

仮登記については、その登記原因、権利の内容、登記名義人の状況、権利が現在も存続しているかなどを調査して、任意の抹消、訴訟その他適切な方法を検討します。

仮登記は必ずしも「休眠担保権」そのものではありませんが、古い登記を整理するという点で、当事務所が取り扱っている分野です。

司法書士+弁護士だからできるワンストップ対応

手続当事務所での対応
登記記録の調査司法書士として登記内容を確認
閉鎖登記簿等の調査古い債権額・弁済期・登記原因等を確認
法人調査法人登記・解散・清算人等を確認
相続人調査抵当権者が死亡している場合に戸籍等を調査
相続人等との交渉弁護士として事情を説明し、任意の抹消を求める
供託手続の検討休眠担保権の特例を利用できるか検討
訴訟必要な場合には弁護士として訴訟対応
抹消登記解決後、司法書士として登記申請まで対応

【ここに図解③「片岸法律事務所のワンストップ対応」を挿入】

登記調査
↓
抵当権者・相続人・法人の調査
↓
司法書士として登記方法を検討
↓
必要なら弁護士として交渉・訴訟
↓
最終的な抹消登記まで対応

休眠担保権の抹消をご依頼いただいた場合の流れ

段階内容
1 ご相談登記事項証明書等を確認し、問題となる古い登記を把握します
2 登記調査必要に応じて閉鎖登記簿等も調査します
3 抵当権者等の調査個人の場合は住所・戸籍、法人の場合は法人登記等を調査します
4 抹消方法を検討任意の抹消、供託、法70条の2、訴訟等から適切な方法を検討します
5 交渉等必要に応じて抵当権者・相続人等へ連絡します
6 供託・訴訟等任意に解決できない場合には必要な法的手続を行います
7 抹消登記要件を整えたうえで法務局へ抹消登記を申請します

まず登記事項証明書を確認します

「古い抵当権が残っている」と言われても、実際の解決方法は登記内容を見なければ判断できません。

ご相談の際には、可能であれば現在の登記事項証明書(登記簿謄本)をご用意ください。

登記された時期、抵当権者、債権額、登記原因などを確認し、必要に応じて閉鎖登記簿その他の資料を追加調査します。

休眠担保権の抹消についてよくあるご質問

何十年前の抵当権でも抹消できますか?

抹消できる可能性があります。ただし、登記の内容、被担保債権、抵当権者の所在、死亡・相続の有無などによって手続が異なります。まず登記記録を確認する必要があります。

抵当権者が既に亡くなっています。

抵当権者が死亡している場合には、戸籍等を調査して相続人を確認し、相続人との間で抹消手続を進めることがあります。相続人が多数となっている場合もあります。

抵当権者の相続人が協力してくれない場合はどうなりますか?

任意の抹消が困難な場合には、供託による方法を利用できないか、あるいは訴訟によって抹消を求めるべきかなど、別の方法を検討します。

昔の法人が抵当権者になっています。

まず法人登記等を調査します。法人が既に解散しており、清算人の所在が判明せず、被担保債権の弁済期及び法人の解散からそれぞれ30年を経過しているなど、不動産登記法70条の2の要件を満たす場合には、所有者から単独で抹消申請できることがあります。

古い根抵当権も相談できますか?

はい。当事務所では古い根抵当権の抹消についても取り扱っています。根抵当権の内容や元本確定の状況などを確認し、具体的な手続を検討します。

古い仮登記が残っています。相談できますか?

はい。古い所有権移転請求権仮登記等の抹消についても取り扱っています。仮登記の種類や登記原因、権利者の状況等を調査して抹消方法を検討します。

司法書士と弁護士のどちらに相談すればよいのでしょうか?

通常の抵当権抹消登記は司法書士の専門分野です。しかし、非常に古い抵当権では、権利者の相続人調査、相続人等との交渉、訴訟などが必要になることがあります。当事務所では司法書士業務と弁護士業務の双方を取り扱っているため、最初の登記調査から必要に応じた交渉・訴訟、最終的な抹消登記まで一体的に対応することができます。

古い抵当権だからといって、そのまま諦める必要はありません

何十年も前に設定された抵当権で、抵当権者も見つからないとなると、「もう抹消できないのではないか」と思われるかもしれません。

しかし、古い担保権については、登記内容や抵当権者の状況に応じて、任意の抹消、供託による抹消、解散法人についての単独抹消、訴訟など、複数の解決方法が考えられます。

片岸法律事務所では、司法書士として登記を読み解くことと、弁護士として必要な法的手続を行うことの双方を活かして、解決方法を検討します。

相続した土地や売却予定の不動産に古い抵当権・根抵当権・仮登記が残っている場合には、登記事項証明書をお持ちのうえご相談ください。


法律相談のご予約・お問い合わせ

法律相談をご希望の方は、ご都合のよい方法でお問い合わせください。

平日 9:00~17:00

24時間送信できます

24時間送信できます


片岸法律事務所
〒546-0043 大阪市東住吉区駒川3丁目12番5号
弁護士 片岸寿文(大阪弁護士会)
電話:06-6628-6202