相続人同士で話合いがまとまらない。何度連絡しても返事をしない相続人がいる。疎遠な親族や、会ったこともない相続人と遺産分割を進めなければならない――。
大きな争いにはなっていなくても、概ね合意しているのに最後の条件でまとまらない、相続人の一人が話合いに応じない、そもそも連絡をしても返事がないというケースもあります。
遺産分割は「法律」だけでなく、
相続人への最初の伝え方も大切だと考えています。
当事務所では、相続人間ですでに争いが生じている事件だけでなく、 概ね合意できているものの最終合意に至らない事件、相続人が話合いに応じない事件、連絡をしても返答がない事件など、 多様な遺産分割事件を取り扱ってきました。
中には、 相続人が10名以上に及ぶ遺産分割手続 を解決した実績もあります。
面識のない相続人に、いきなり協議書を送りません。
長年交流のない相続人や、一度も会ったことのない相続人に突然 「この遺産分割協議書に実印を押してください」 「印鑑証明書を送ってください」 と求めれば、不安や警戒心を抱かれ、かえって話合いが難しくなることがあります。
そこで当事務所では、事案に応じて、まず弁護士から丁寧な文書を送り、 なぜ連絡をしたのか、どのような相続が発生しているのかを説明したうえで、相手方の意向を確認することを心がけています。
また、面識のない相続人へ連絡する場合には、単に結論だけを求めるのではなく、 預貯金、不動産その他の相続財産を整理した財産目録を作成し、可能な範囲で残高資料、登記事項証明書などの裏付資料を添付することも検討します。
自分たちが把握している財産額を先に相手方へ知らせることに抵抗を感じる方もおられると思います。 しかし、相手方にも相続人として十分な情報を提供し、 「内容を確認したうえで判断できる状態」を作ることが、結果として円滑な合意につながる場合があります。
実際に当事務所では、高額な遺産を含む事件においても、事前に相続関係や財産内容を丁寧に説明した結果、 疎遠であった相続人から相続財産の取得を希望しないとの意向が示され、 最終的に依頼者にとって大きな経済的利益につながる内容で解決した事例もあります。
最初から対立を作るのではなく、相手方が安心して判断できる材料を示し、合意による解決の可能性を探ることも、遺産分割事件の重要な弁護士業務だと考えています。
※解決方法や取得できる相続財産は、相続関係、遺産内容、各相続人の意向等によって異なります。過去の解決事例と同様の結果を保証するものではありません。
このような遺産分割のご相談に対応しています
- 兄弟姉妹で遺産の分け方について意見が合わない
- ほぼ合意できているが、最後の条件について合意できない
- 相続人の一人が遺産分割協議に応じない
- 手紙を送っても電話をしても相続人から返事がない
- 長年疎遠になっている相続人がいる
- 一度も会ったことがない相続人と協議しなければならない
- 相続人が多数いて、自分だけでは手続を進められない
- 不動産を誰が取得するのか決まらない
- 一人が不動産を取得する代わりに、他の相続人へ代償金を支払いたい
- 相続人の一人が生前に多額の贈与を受けている
- 亡くなった親の介護や財産管理を長年行ってきた
- 相続財産の一部が使われている疑いがある
- 遺産分割調停を申し立てたい、または申し立てられた
遺産分割とは
被相続人が亡くなり、複数の相続人がいる場合、相続財産を誰がどのように取得するのかを決める手続が遺産分割です。
例えば、相続人が長男・長女・次男の3人で、相続財産として実家の土地建物と預貯金がある場合に、
- 長男が実家の土地建物を取得する
- 長女と次男が預貯金を取得する
- 不動産を取得する長男から他の相続人へ代償金を支払う
など、具体的な分割方法について話し合います。
【ここに図解①「遺産分割の基本的な流れ」を挿入】
相続発生 → 相続人を確認 → 相続財産を確認 → 各相続人の希望を確認 → 遺産分割協議 → 合意 → 遺産分割協議書 → 預金払戻し・相続登記等
遺産分割協議には相続人全員の合意が必要です
遺産分割協議によって遺産の取得者を決める場合には、原則として共同相続人全員による合意が必要です。
相続人が5人いるのに、4人だけで話し合って「これで決まり」とすることはできません。
そのため、長年疎遠になっている相続人や、面識のない相続人がいる場合でも、その人を除外して手続を進めるのではなく、まず相続人を正確に調査して連絡を取る必要があります。
最初に「誰が相続人なのか」を確認します
遺産分割を始める前に、戸籍を確認して相続人を確定します。
一見すると相続人が数名だけに思えても、戸籍を調査すると、これまで知らなかった相続人が判明する場合があります。
また、被相続人の死亡から長期間経過している場合には、その後さらに相続人が亡くなり、その子などが相続人となっていることがあります。
このような数次相続が発生すると、相続人が10名、20名と増えることもあります。
【ここに図解②「相続人が増えていく数次相続」を挿入】
被相続人死亡 → 相続人の一人が死亡 → その配偶者・子へ相続 → さらに相続発生 → 関係者が多数になることも
次に「どの財産を分けるのか」を確認します
遺産分割をするためには、まず相続財産を把握する必要があります。
主な相続財産として、例えば次のようなものがあります。
- 土地・建物
- 預貯金
- 株式・投資信託等の有価証券
- 現金
- 自動車
- 借地権等
- その他の動産・財産的権利
当事務所では、把握できた相続財産を整理し、必要に応じて財産目録を作成したうえで、遺産分割協議を進めます。
財産目録を作る意味
財産目録は、単に弁護士が財産を整理するためだけのものではありません。
相続人全員が、
- どのような不動産があるのか
- 預貯金がどの金融機関にあるのか
- おおよそいくらの財産があるのか
- 分割の対象となっている財産は何なのか
を共通認識として持つための資料でもあります。
特に疎遠な相続人と協議する場合には、単に「この書類へ署名してください」と求めるのではなく、財産目録や裏付資料を示し、相続内容を理解してもらったうえで意向を確認することが、合意形成に役立つ場合があります。
【ここに図解③「疎遠な相続人への連絡の進め方」を挿入】
①丁寧な連絡文書 → ②相続関係を説明 → ③財産目録・資料を提示 → ④相手方の意向を確認 → ⑤条件を調整 → ⑥合意できれば協議書作成
いきなり遺産分割協議書を送ることが適切とは限りません
面識のない相続人への連絡では、第一印象がその後の話合いに影響することがあります。
相手方の立場からすれば、何年も連絡を取っていなかった親族側から突然書類が届き、
「この協議書に実印を押して、印鑑証明書を送ってください。」
とだけ書かれていれば、「自分に不利な内容なのではないか」「財産を隠されているのではないか」と警戒することも考えられます。
そのため当事務所では、事案に応じて、最初から結論を押し付けるのではなく、まず事情を説明し、相手方がどのように考えているのかを確認するところから始めます。
相続財産を開示してから話合いを始めることがあります
依頼者としては、「こちらから財産額まで伝えたくない」と感じることもあると思います。
しかし、相手方も相続人である以上、どのような相続財産について話し合っているのかを確認できることは重要です。
そこで当事務所では、事案に応じ、財産目録を作成し、預貯金の残高資料や不動産登記資料などを添付して、把握している財産内容を相手方へ説明する方法をとることがあります。
最初に必要な情報を開示し、相手方にも十分に検討できる機会を確保することが、結果として円滑な解決につながる場合があります。
不動産をどのように分けるか
遺産に不動産が含まれている場合には、預金のように単純に分割できないため、分割方法が問題になることがあります。
| 分割方法 | 内容 |
|---|---|
| 現物分割 | 不動産などの財産をそのまま特定の相続人が取得する方法 |
| 代償分割 | 一人が不動産を取得し、他の相続人へ代償金を支払う方法 |
| 換価分割 | 不動産を売却し、その代金を相続人間で分ける方法 |
| 共有分割 | 複数の相続人が共有で取得する方法 |
どの方法が適切かは、不動産の利用状況、各相続人の希望、代償金を支払う資力、将来売却する予定があるかなどによって異なります。
特別受益が問題になる場合
相続人の一人が、生前に被相続人から多額の贈与を受けている場合などには、特別受益が問題になることがあります。
例えば、遺産の前渡しと評価できるような生前贈与等がある場合、その事情を考慮して具体的な相続分を計算することがあります。
もっとも、どの贈与でも当然に特別受益になるわけではありません。贈与の目的、金額、時期、被相続人と相続人の関係などを確認する必要があります。
寄与分が問題になる場合
相続人の中に、被相続人の財産の維持・増加に特別な貢献をした人がいる場合には、寄与分が問題になることがあります。
例えば、被相続人の事業に無償で長期間従事した場合や、通常の親族間の扶養を超えるような療養看護を行った場合などが問題となります。
単に「自分が一番親の世話をした」というだけで当然に寄与分が認められるわけではなく、具体的な事実と資料による検討が必要です。
相続開始から10年を経過する場合には注意が必要です
2023年(令和5年)4月1日から、長期間経過後の遺産分割について新しいルールが施行されています。
原則として、相続開始から10年を経過した後の遺産分割では、特別受益や寄与分などを考慮した「具体的相続分」ではなく、法定相続分または指定相続分による分割となります。
ただし、施行前からの相続についての経過措置や、10年以内に家庭裁判所へ遺産分割を請求した場合など、例外があります。
遺産の「使い込み」が問題になる場合
遺産分割を始めたところ、被相続人と同居していた相続人が、生前または死亡後に預金を引き出していたことが判明する場合があります。
片岸法律事務所の旧ホームページでも、兄弟姉妹間で問題になりやすい相続紛争の一つとして、このような預貯金の使い込みについて取り上げていました。
この場合には、金融機関の取引履歴、払戻請求書、当時の被相続人の生活・介護状況、使途を示す資料などを確認していきます。
なお、生前または死亡後に処分された財産が当然にすべて遺産分割の対象になるわけではありません。遺産分割調停で扱えるか、別途民事上の請求が必要かについても検討します。
話合いに応じない相続人がいる場合
相続人全員へ連絡をしても、一人だけ全く返事をしないことがあります。
まずは、相手方がなぜ返事をしていないのかを考えます。
- 相続自体に関心がない
- 知らない親族から突然連絡があり警戒している
- 提示された情報が少なく判断できない
- 提案内容に不満がある
- 他の相続人との過去の関係から連絡を避けている
など、理由はさまざまです。
弁護士から改めて相続関係・財産内容・協議したい事項を整理した文書を送付し、回答を求めることがあります。
それでも話合いができない場合には、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てることを検討します。
遺産分割調停とは
相続人間の協議で合意できない場合には、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てることができます。
調停では、家庭裁判所の調停委員等が双方から事情や希望を聞き、必要な資料を確認しながら、合意による解決を目指します。
遺産分割調停を申し立てる場合には、原則として、他の相続人全員を相手方として手続を行います。
調停で合意が成立しない場合には、原則として手続は遺産分割審判へ移行し、裁判官が分割方法を判断することになります。
【ここに図解④「協議から調停・審判まで」を挿入】
相続人間の協議 → 合意できれば遺産分割協議書
↓ 合意できない
家庭裁判所の遺産分割調停 → 合意できれば調停成立
↓ 不成立
遺産分割審判 → 裁判官が判断
弁護士へ依頼した場合の流れ
| 段階 | 主な対応 |
|---|---|
| 1 法律相談 | 相続関係、遺産、相続人間の関係、現在の話合い状況を確認 |
| 2 相続人調査 | 必要に応じて戸籍等を確認し、相続人を整理 |
| 3 相続財産の整理 | 不動産、預貯金等を確認し、必要に応じて財産目録を作成 |
| 4 各相続人への連絡 | 事情を説明し、それぞれの意向を確認 |
| 5 遺産分割協議 | 取得財産、代償金等の条件を調整 |
| 6 協議書の作成 | 合意内容に基づいて遺産分割協議書を作成 |
| 7 協議で解決できない場合 | 必要に応じて家庭裁判所へ遺産分割調停を申立て |
| 8 相続手続 | 預貯金払戻し、相続登記等へ進む |
遺産分割成立後の相続登記にも対応できます
遺産分割協議が成立し、不動産を取得する相続人が決まった場合には、相続登記が必要となります。
片岸法律事務所では、弁護士業務に加えて司法書士業務も取り扱っているため、遺産分割の協議・交渉から遺産分割協議書の作成、相続登記まで一つの窓口で対応することができます。
遺産分割問題が解決した後に、改めて別の司法書士を探して事情を最初から説明する必要がないことも、当事務所の特徴です。
遺産分割についてよくあるご質問
一人だけ遺産分割協議に応じない相続人がいます。
その相続人を除外して遺産分割協議を成立させることは原則としてできません。まず弁護士から事情や財産内容を整理した文書を送り、意向を確認します。それでも協議できない場合には、家庭裁判所への遺産分割調停を検討します。
会ったことのない相続人へ連絡しなければなりません。
当事務所では、いきなり遺産分割協議書への署名・実印の押印等を求めるのではなく、まず相続が発生している事情を丁寧に説明する方法を検討します。必要に応じて財産目録や裏付資料も示し、そのうえで相手方の意向を確認します。
相続人が10人以上います。依頼できますか?
はい。当事務所では相続人が10名以上となる遺産分割手続の取扱実績もあります。人数が多い事件では、まず相続関係と連絡先を整理し、各相続人の意向を確認しながら手続を進めます。
相続財産の金額を他の相続人へすべて知らせなければなりませんか?
個別の事情によりますが、遺産分割の対象となる財産を相続人間で確認することは、適切な話合いを行ううえで重要です。当事務所では、事案に応じて財産目録や裏付資料を作成し、相手方にも判断に必要な情報を示したうえで協議する方法を検討します。
不動産を自分が取得したいのですが、他の相続人にはどうすればよいですか?
不動産を一人が取得し、他の相続人へ代償金を支払う「代償分割」などを検討できます。不動産の評価額や代償金の支払能力等を確認しながら協議します。
話合いで解決できなければ、すぐ裁判になりますか?
遺産分割について協議がまとまらない場合には、通常、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てます。調停で合意に至らない場合には、原則として遺産分割審判へ移行し、裁判官が判断します。
遺産分割と相続登記をまとめて依頼できますか?
はい。当事務所では弁護士業務と司法書士業務を取り扱っているため、遺産分割問題の解決、遺産分割協議書の作成、その内容に基づく相続登記まで一体的に対応することができます。
相続人同士の関係にも配慮しながら、解決を目指します
遺産分割では、法定相続分を計算するだけでは解決できないことがあります。
特に、長年疎遠であった親族、面識のない相続人、相続について積極的に関わりたくない相続人がいる場合には、最初の連絡方法一つでその後の手続が変わることがあります。
片岸法律事務所では、相続関係と財産関係を整理したうえで、相手方にも必要な情報を提供し、その意向を確認しながら解決の可能性を探ります。
協議による解決ができない場合には、遺産分割調停・審判へ進みます。
「争って勝つ」だけではなく、可能な事案では、相続人全員が十分な情報を確認できる状態を作り、できるだけ納得のいく合意形成を目指します。
法律相談のご予約・お問い合わせ
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